「上司からの評価がなかなか上がらない」
「上司に嫌われてるんじゃないだろうか」
そんな漠然としたモヤモヤを抱えている方のために、この記事では「上司は何を考えて評価しているか」「どんな人を上げやすいのか」を解説していきます!
この記事では上司側から見た人事評価について解説していきます!
評価者目線から見ていくことで、昇給交渉や評価UPのアクションにつなげられますよ!
上司の評価はあいまい?
人事評価の質は一定にできるのか
結論からいうと、人事評価は現状では残念ながら、一定に保つことは難しいです。
基本的に人事が策定した評価制度に基づいてなされますが、評価項目によっては定量化できないものも多く、一定の尺度で評価をすることができないからです。
また、評価をする上司自身の体調や当日の仕事量、気分によっても左右されることが研究結果で示されています。
30名の部下を抱えている上司が20人目で同じテンションで評価ができるかというと、そんなことはありません。
部下側でどうこうすることができない要因でバラつきが生じるものと考えておくのがよいでしょう。
上司も人間だから仕方ないんだろうけど、こっちとしては困るんだなぁ~
上司側も仕事の一環でしかない
上司からすると人事評価は定期的にやってくるタスクになります。
人事評価をきちんと行う人もいれば、適当に行う人もいます。
他にもたくさんの責任を負い、いろいろな案件が途中の中で、差し込まれる人事評価というタスクに、どれだけ時間をかけるのかはその上司次第です。
相手も忙しい中で、評価をする義務を負っているのだということは忘れないようにしましょう。
確かに、上司ガチャ感はあるんだなぁ~
評価ズレがどう起きるのか
評価ズレを防ごうとしても基本的に部下側でコントロールできません。
ここから評価ズレを起こす法則についてどんなものがあるのか少し見てみましょう。
確証バイアス
仮説や信念を検証する際にそれを支持する情報ばかりを集め、反証する情報を無視または集めようとしない傾向のこと。
「あいつは使えない奴だ」と思われるとそれが先入観となって評価に影響しうる。
ゲインロス効果
第一印象に反する行為をすると必要以上の評価をしてしまう心理現象。
不良が動物に優しい、東大卒が実は使えなかったなど、ちょっとした逆の一面だけで、その人の心象すべてに影響してしまう。
ダニング=クルーガー効果
能力の低い人物が自らの容姿や発言・行動などについて、実際よりも高い評価を行ってしまう優越の錯覚を生み出す認知バイアス。
自分はスゴイと高く見積もる他責な上司ほど、部下を見下しやすくなってしまう。
ハロー効果
ある対象を評価する時に、それが持つ顕著な特徴に引きずられて他の特徴についての評価が歪められる(認知バイアス)現象のこと。
イケメンは仕事ができるなど、ゲインロス効果と相まって評価がばらつく要因になりうる。
フレーミングモデル
情報そのものよりも情報の伝え方が、考え方や選び方に影響を与えてしまう」認知的バイアスのこと。
すごく仕事ができる人なのに、おとなしく口下手なために評価に影響してしまうなどにつながる。
メラビアンの法則
コミュニケーションにおいて、人は言語情報(Verbal)から7%、聴覚情報(Vocal)から38%、視覚情報(Visual)から55%のウェイトで影響を受けること。
見た目を気にしていないと、せっかく成果を上げていてもその内容は伝わってこないことになる。
アンカリング効果
アンカーと呼ばれる先に与える情報が判断を歪めアンカーに近づく心理学の現象。
先出しの情報として、「彼女はもうすぐ結婚しそう」を伝えると「もうすぐ辞めるかも」という判断を想起させ、評価を上げても仕方がないなどの結果につながる可能性がある。
権威への服従原理
専門家や権威、地位のある人の指示や言動を信じてしまう傾向が共通して観察される法則性。
女性活躍を推進すると社長が言い出したら、女性の評価をこれまでよりも過剰に上げ、相対的に男性を下げるなどの事象にもつながる。
こうやって見ると、僕ではコントロールできないんだなぁ~
ここまで上司の人事評価事情について解説しました!
まとめると次の通りです!
まとめ
- 人事評価の質は、定量化が困難なものもある上、気分にも左右され均質化は困難
- 上司も仕事の一環でやっており、上司ガチャ要素は出てしまう
- 評価ズレを起こす要因は部下ではコントロールできないことが多い
これはどうしようもないんだなぁ~
結局運要素になるんだなぁ~
いえ、そんなことはありませんよ!
評価の裏側を知っていくことで攻略は可能です!
次は上司がどういう気持ちで評価をしているのか見ていきましょうか。
次の章では、上司の評価の心理について解説していきます!
上司の評価心理
この章では、上司の評価の心理について解説していきます!
評価心理を知ることで、何が評価を上げたり下げたりする原因なのかが分かりますよ!
評価は相対的
基本的に上司は部下全員を評価対象にしており、評価は相対的にせざるを得ません。
仮に、3人の部下を持つ上司がA~Dまでの評価をつけるシーンを想定しましょう。
全員をBランクにすると評価を適当にしている人と見られかねません。
ですので、上司としては「評価を分散させたい」心理がはたらくのです。
分散させようとしたときにAさんとBさんとCさんで何をもって評価するかといえば、3人を比べて評価するのです。
「Bさんの方がAさんより仕事ができるな」「Cさんの方がBさんより仕事ができるな」と評価対象者の中で、序列をつけてランクを決めるのです。
評価は、隣に座っている同僚と比較されて決まっているのです。
同僚には一層負けたくなくなったんだなぁ~
上司評価は自己評価に引きずられている
実は上司の評価は自己評価に引きずられる側面があります。
先ほどの例で見てみましょう。
あまり仕事ができないAさんが自己評価でAをつけてきました。
一方で、それなりに仕事ができるBさんが自己評価でDをつけてきました。
評価者である上司は、自己評価を書き直させるとハラスメントになりかねず、書き直させることができません。
ここで、上司評価としてAさんとD評価に戻すと、「A→D」になるので、本人も納得しないでしょうし、2次評価者からも「日ごろから評価軸をすり合わせていない」という見られ方をしてしまいます。
下からのハラスメント懸念と、上からの2次評価者の見られ方を気にした上司は、自己評価から「一つずらすだけ」に留めます。
つまり、Aさんを評価Bに、Bさんを評価Cにすることになり、上司が思う本当の評価とは異なる評価が下されることになります。
ここで気をつけないといけないのは、良い悪いにかかわらず、「能力とかけ離れた自己評価」を見ると上司の心象は悪くなりかねないことです。
高飛車になりすぎず、卑屈にもなりすぎず、バランスのよいラインで自己評価をするようにしましょう。
何も考えず、高くつければいいってもんでもないのは驚きなんだなぁ~
部下の業務領域は、上司の裁量権×上司の本音評価で決まる
では、部下の業務領域はどのように決まるかというと「上司の裁量権」×「上司の本音評価」で決まります。
また、先ほどのAさんBさんに登場してもらいましょう。
上司はさらにその上の上司から、この領域で仕事を進めるようにと裁量権を決められます。
基本的に部下への仕事の割り振りはその裁量権の範囲から行われます。
先のAさんは上司評価はBで、Bさんは上司評価はCと、Bさんの方が評価は下でした。
ところが、裁量権はそれとは関係なく、「上司が仕事を振りたいと思うか」によって決まるので、Bさんの方が大きくなります。
当然ながら、裁量権が大きい方が大きな仕事をやりやすく、実力もつくので、その後の評価は逆転する可能性も出てくるでしょう。
このように、「人事面談での上司評価」と「上司の本音評価」は別モノになり得て、
部下の仕事の範囲は、「上司の裁量権」×「上司の本音評価」で決まるのです。
上司との関係性がいかに重要か分かるんだなぁ~
ここまで上司の評価心理について解説しました!
まとめると次の通りです!
まとめ
- 人事評価は相対的に決まるので、評価範囲内で比べられる
- 上司の評価も見られているので、上司評価は自己評価に引きずられる
- 部下の仕事の裁量権は、「上司の裁量権」×「上司の本音評価」で決まる
なるほど、人事評価も制約があるんだなぁ~
そうなんです!ポイントは「相対」ですね!
次は評価するときに何を見ているのか、本音部分に迫ってみましょう。
次の章では、上司の評価の本音について解説します!
評価の本音
この章では、上司の評価の本音について解説していきます!
評価をするときに何を見ているのかを知ることで、自分の行動を見直すきっかけになりますよ!
結果だけでなく「プロセス」も見ている
本音: 「成果が大事だけど、その過程も評価に影響する」
数字や成果は評価の柱ですが、結果を出すまでの過程も重視されます。
たとえば、チームを巻き込んだ努力や、誠実な仕事ぶりはプラスに働きます。
人事評価項目にプロセスがなかったとしても、上司はそうした点も評価に見ています。
やはりプロセスも重要なんだなぁ~
上司自身の立場も考慮している
本音: 「部下の評価は上司の評価にも影響する」
上司は自分の部下を高評価にすることで、上層部から「良いチームを作っている」と見られたいという意図があります。
ただし、逆に部下のパフォーマンスが悪いと上司自身の評価が下がるため、厳しい目で見ざるを得ないこともあります。
結局のところ、なるべく評価が高いチームを持ちたい思いとは裏腹に、能力と評価はバランスよくつける必要があります。
確かに、味方を変えれば上司の仕事は部下の仕事の集合体なんだなぁ~
周囲からの評判を重要視する
本音: 「チームや他部署での評判が高い人は評価しやすい」
上司一人の意見だけでなく、他部署や同僚からのフィードバックも評価に影響します。
特に、周囲との関係が良好で「一緒に仕事をしたい」と思われる人は、評価が上がりやすいです。
そうした人は、2次評価者からも評判が良かったりするので、評価を上げやすいのです。
評判悪い人を評価は確かにできないんだなぁ~
日頃の印象が大きく影響する
本音: 「評価期間中だけ頑張っても、普段の印象が悪いと厳しい」
人事評価の期間にだけ目立つ成果を出しても、日常的な態度や行動が評価に反映されるため、普段からの振る舞いが重要です。
普段から積極的で誠実な人は、多少の失敗があっても「安定して信頼できる」と評価されるでしょう。
日常的な態度が悪い人は、周囲からの評判も良くないので、評価はしづらいでしょう。
そういう人は同僚目線でも評価してほしくないんだなぁ~
上司との相性が影響することもある
本音: 「相性が良い人は評価しやすい」
上司と部下の価値観や仕事スタイルが合っていると、自然と評価が高くなることがあります。
逆に、上司が細かい報告を好む場合、それを怠る部下は評価が下がりやすいなど、相性が悪いと公平な評価が難しくなる場合もあります。
上司のスタイルに合わせて仕事の進め方が切り替えられるように引き出しを増やしておくとよいでしょう。
上司ガチャは不可避だから対策打つしかないんだなぁ~
チーム全体のバランスを考えている
本音: 「全員を高評価にはできない」
前の章でも触れた通り、人事評価にはチーム内での相対的な順位が求められることが多いため、全員を高評価にすることは難しいです。
そのため、他のメンバーとのバランスを見て評価が調整されることがあります。
同じチームの中でどうやったら価値発揮できるかを冷静に見極めてみるとよいでしょう。
さっきの話なんだなぁ~
確かに納得なんだなぁ~
成長意欲を見ている
本音: 「現状維持ではなく、成長しようとする人を評価したい」
上司は部下の成長を支援する立場にあります。
そのため、安定して仕事をこなすだけでなく、新しいスキルを学んだり、責任のある仕事に挑戦する姿勢を重視します。
言うことを聞かない、副業ばっかりやってる、今までの経験だけでなんとかしようとしているなどは、評価はしづらいでしょう。
成長してない人は未来にも期待できないんだなぁ~
これも同僚との相対なんだなぁ~
上層部への説明のしやすさを考慮する
本音: 「評価を上に説明できる根拠が欲しい」
上司が部下の評価を上層部に報告する際、客観的な成果や具体的なエピソードが求められます。
そのため、評価を上げるには「数字や具体的な成果」を見える形で残すことが重要です。
一緒に具体的なエピソード作りに協力してくれる上司もいますが、基本的には自分でアピールできる内容を作り、相談するようにしましょう。
確かに「評価高いチームがいい」なら上げていく根拠は欲しくなるんだなぁ~
短期的な成果よりも「長期的な貢献」を重視
本音: 「将来的に会社に貢献できる人を評価したい」
目先の成果だけでなく、長期的に会社に利益をもたらす人材かどうかを見ています。
特に30代以降では、専門性やリーダーシップがある人が評価されやすいです。
恥ずかしいとかキャラじゃないとか言っているよりも、中長期の貢献のために、自分から動く積極性を発揮していく30代の方が昇給させやすいです。
その方が説明もきっとしやすいんだなぁ~
信頼感がある人を評価しやすい
本音: 「この人なら安心して任せられると思える人が高評価」
上司にとって、部下が信頼できる存在であることは非常に重要です。
特に以下のような行動が信頼感を高めます。
- 報告・連絡・相談が適切にできる。
- 仕事を最後まで責任を持ってやり遂げる。
- ミスを隠さず、迅速に対応する。
確かに、信頼できない人を上げても評価の正しさが後から言われそうなんだなぁ~
ここまで上司の評価の本音を解説してきました!
まとめると次の通りです!
まとめ
- 結果だけでなく「プロセス」も見て評価したい
- 上司自身の立場も考慮して「評価の高いチーム」を持ちたい
- 周囲からの評判を重要視したい
- 日ごろの印象が大きく影響してしまう
- 上司との相性が影響することもある
- チーム全体のバランスを考えたい
- 成長意欲を見ている
- 上層部への説明のしやすさを考慮したい
- 短期的な成果よりも「長期的な貢献」を重視したい
- 信頼感がある人を評価したい
確かに言われてみれば当たり前のことではあるんだなぁ~
そうなんです!
ただ、仕事となる自分のことでいっぱいいっぱいで見られ方まで意識できないですよね!
では、次はどんな人の評価を上げやすいのかを具体的に見てみましょうか!
次の章では、評価を上げやすい人の特徴を解説します!
評価を上げやすい人の特徴
この章では、どんな人が評価を上げやすいのか、上司目線で解説します!
具体的な特徴を掴むことで、自分のロールモデルを見据えることにもつながりますよ!
成果を出す力がある人
上司にとって重要なのは、チームや会社の目標を達成すること。
そのため、「目標に向けてコミットできる人」は評価されやすいです。
特に、自分のタスクやスケジュールをしっかり管理し、締め切りを守れる「自己管理能力が高い」人は信頼されます。
また、一時的な成功ではなく、安定して「成果を出し続ける」人も、上司から頼りになると思われるでしょう。
チームに貢献できる人
他のメンバーと円滑にコミュニケーションを取り、「チーム全体のパフォーマンスを高められる人」は評価が高いです。
チーム内で他のメンバーをサポートし、全体の成果を引き上げる行動を取る人は、上司から見てリーダー候補となりやすいです。
また、トラブルや課題が発生した際に、「積極的に解決策を提案・実行できる人」も、頼りにされます。
コミュニケーションが良好な人
上司に必要な情報を適切なタイミングで伝えられる「報連相ができる人」は、管理しやすく信頼されます。
また、「批判だけでなく、改善案や代替案を提案できる人」も、チームの前向きな雰囲気を作る力があるので評価しやすいでしょう。
感情のコントロールができ、冷静に対処できる人は上司にとって安心感のある人に映るのです。
成長意欲が高い人
新しいスキルや知識を積極的に身に付け、業務に活かそうとする「学び続ける」人は、ポテンシャルを評価されます。
特に、上司からのアドバイスや指摘を前向きに受け止め、改善に繋げられる人は評価が上がりやすいです。
また、難しい課題や新しいプロジェクトに積極的に取り組む「挑戦を恐れない」姿勢を持つ人も、上司から見て「将来性がある」と判断されることになるでしょう。
自発的に行動できる人
指示待ちではなく、「自分で課題を見つけ、解決に向けて動ける人」は、上司の負担を減らし、評価されやすいです。
一番助かるのは、チームや会社全体の目標を理解し、それに貢献する行動を取れる人で、「全体を見渡せる視野を持っている」と評価されるでしょう。
信頼される人間性がある人
約束を守り、ミスがあったときには責任を取る「誠実で責任感のある」姿勢を見せる人は信頼されます。
特に、感情や体調に左右されず、安定して働ける人は、上司にとって安心できる存在です。
また、チームメンバーや取引先への「配慮ができる人」も、周囲からも好感を持たれ、上司の評価も上がります。
上司の期待を超える行動をする人
期待された仕事をこなすだけでなく、「プラスアルファで価値を提供できる」人は、できる社員として評価されます。
上司が何を求めているかを理解し、それに応える行動を取る人は、上司の信頼を得やすいのです。
周囲からの評判が良い人
他のチームや外部の関係者からの「信頼が厚い人」は、上司にとっても価値のある存在となります。
また、ポジティブな態度で周囲を巻き込み、「チーム全体の雰囲気を良くする人」も、チームをマネジメントする上司にとって、重宝したくなる存在といえるでしょう。
ここまで上司が具体的に年収を上げたいと思える人を解説しました!
まとめると次の通りです!
上司が年収を上げたいと思える人 | |
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成果を出す力がある人 | ・目標に向けてコミットできる ・成果を出し続けることができる |
チームに貢献できる人 | ・チーム全体のパフォーマンスを高められる ・積極的に改善策を提案・実行できる |
コミュニケーションが良好な人 | ・報連相ができる ・批判だけでなく改善案や代替案を提案できる |
成長意欲が高い人 | ・学び続ける ・成長を恐れない |
自発的に行動できる人 | ・自分で課題を見つけ、解決に向けて動ける ・全体を見渡せる視野を持っている |
信頼される人間性がある人 | ・誠実で責任感のある ・配慮ができる |
上司の期待を超える行動をする人 | ・プラスアルファで価値を提供できる |
周囲からの評判良い人 | ・周囲からの信頼が厚い ・チーム全体の雰囲気を良くする |
上司からの期待をどう作っていくかなんだなぁ~
そうなんです!
全部やる必要はないので、自分ができるところから始めてくださいね!
年収を上げるために取るべき具体的なアクションについては別の記事にあるのでそちらも確認してください!
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