「リーダーとして成果を出していきたい」
「リーダーシップをもっと発揮できるようになりたい」
30代になるとリーダーとして成果を出した経験が求められるようになり、リーダーにまつわる悩みは増えてくるでしょう。
それぞれが異なる経験をしてリーダーになっている以上、そこに唯一解はありません。
ですが、複数のリーダータイプを伝え、どんな力を発揮するかを知る事で理想像を模索する手助けをすることはできます。
この記事を通して、理想のリーダー像を模索する方に向けて、
リーダーシップを発揮していくためのサポートとなることをお伝えしていきますね!
リーダーとは何か
リーダーとは何かを解説する前にまず、辞書でその意味を引いてみると
「指導者」「統率者」「指揮者」などが意味として出てきます。
色々出てきましたがどうも共通している部分は、「方向を示し導く人」と捉えられそうです。
職場におけるリーダーとはなにかをあえて定義するなら、
「目標を定め、課題を特定し、優先度をつけながらメンバーと共に成果を上げる人」と言えます。
リーダーにもさまざまな種類があって、グループのリーダーもいればプロジェクトのリーダーもいますが、役割は同じです。
どんな範囲でリーダーをするにせよ、方向性を示しメンバーに働きかけ結果に結びつける人が優秀なリーダーの特徴になります。
類する言葉で、リーダーシップがありますが、
これは、「組織のミッション実現に向けて、各人が成果を出せるように発揮する統率力や指導力」のことです。
そのために障害があれば、それを特定し、メンバーと一緒に解決しながら前に進めます。
リーダーが人で、リーダーシップは手段という違いがありますが、
決定的な違いはリーダーシップはメンバーでも発揮しうるということです。
リーダーは優秀であればあるほど、ポジションに執着せず、成果に固執しているので、
優秀なリーダーのチームは、リーダーよりもメンバーがリーダーシップを発揮していたりします。
リーダーとマネージャーの違い
リーダーとマネージャーは似ているようで異なる言葉です。
いろいろなサイトでも、比較されていますが、ここでは語源からひも解いてみましょう。
「マネジメント(management)」の語源は、イタリア語の「maneggiare(マネジャーレ)」で、
「馬を調教する」「馬を馴らす」「馬を手綱で操る」という意味です。
この意味が転じて、「物事をうまく扱うこと」を意味するようになりました。
管理という言葉で使われることもありますが、ニュアンスが違うことが分かるでしょうか。
むしろ、メンバーの手綱を握るという意味合いが強く、仕組みを整える要素が強く出てきます。
対して、リーダーは英語の「lead(導く、先導する)」に由来し、元々は
インド・ヨーロッパ言語の「Leith」で、「境界線を越えて足を踏み出す」が語源です。
前へ進む、リスクを冒す、勇気を持つ、といったシンプルな動作や本質を捉えているイメージが強く出てくる言葉ですね。
組織やチームを率いて目標を達成しにいく先導者かつ統率者として
目標達成への道を明確に示し、困難な状況でも組織の生産性を維持、結束を強めるのがリーダーです。
リーダーを取り巻く要素
リーダーを取り巻く要素は、
「組織の目標」
「チームのメンバー」
「リーダー自身」
の3つです。
リーダーシップを高めるのであれば、この3つに対してアプローチするのが基本となります。
それぞれの要素とリーダーとの関係性を確認しておきしょう。
組織の目標とリーダー
リーダーは組織の一員である以上、組織のミッションを実現するための存在です。
よく「役職とは役割でしかなく、人間としては対等だ。」とカッコいい上司が言ったりしますが、本当にその通りで、
リーダーはそのミッションを取締役から権限譲渡されて遂行する人です。
社長の目線から見ると、従業員を雇う理由は3つしかなくて、
「自分でもできるけど手が回らないから」
「自分で出来ないから代わりにやってもらうか」
「自分でもできるけど立場上、不適任だから」
のいずれかでしょう。
経理なら経理のプロをそこにおいて、営業なら営業のプロをそこにおいて、その領域を任せきり、
その代わりに高い報酬を払っているのです。
ですので、リーダーとしての報酬を受け取っている以上、ミッションを遂行しきる責任が生じていて、
組織上では、リーダーはミッションを達成するための役割の一つだということができます。
チームのメンバーとリーダー
チームのメンバーはリーダーに付き従う人ではありません。
ミッションを遂行するために、一緒にまい進してくれる仲間です。
ただし、その仲間はあなたよりも何かが不足していて、リーダーはあなたが抜擢されています。
それは年数や上司からの信頼のような見えづらいものかもしれませんし、スキルのような目に見えるものかもしれません。
ですが、どんな形であれ、リーダーとなった以上は、メンバーを率いる義務があります。
リーダーはメンバーに対して目標を渡し、働きかけを行うことで、目標を達成します。
その意味で、リーダーはメンバーに対して指示を出す権限が与えられます。
組織から求められるのはメンバーに働きかけて成果を実らせ、ミッションを実現することなのです。
そのためには、メンバーの育成、目標設定、サポートといった活動を行う上で必要な要素をそろえてあげる必要があり、それもリーダーの大事な役割です。
リーダーはメンバーの成果を最大化することで、ミッションの実現に向かう船頭役なのです。
リーダー自身
リーダー自身も重要なピースとして、カスタマイズされる必要があるでしょう。
リーダーは精神的な支柱でもあり、情報の集約先でもあり、向かう方向を決断する人でもあります。
そうしたシンボルのような人でありながらも、自らが動き、先陣を切っていく場面も出てきます。
後で説明しますが、リーダーにはさまざまなタイプのリーダーがいます。
どんな要素が強いかによって、取るべき行動が異なるので、リーダーと言っても十人十色ですし、
そこの置かれた状況によっても大きく変わることでしょう。
災害やリコールのような緊急事態には、普段メンバーに放任主義で任せているリーダーでもやり方を変えねばなりません。
また、メンバーがメンタル不調を抱えているような場合には、強権的なリーダーシップはご法度でしょう。
リーダーシップは、さまざまな形で発揮できるように、いくつかのパターンを使い分けるのがベストと言われています。
時には演技をしながらも、時には本音を漏らしながら弱さを見せつつも
自分のスタイルを確立し、それに囚われない柔軟性な対応を都度都度していくという難しい役割です。
ここまでリーダーについて解説しました!
まとめると次の通りです!
まとめ
- リーダーは目標を定め、課題を特定し、優先度をつけながらメンバーと共に成果を上げる人
- リーダーは先導者かつ統率者
- リーダーを取り巻く要素は「組織目標」「メンバー」「リーダー自身」
- リーダーは組織目標を達成する責任を持つ
- リーダーはメンバーに働きかけ、成果を上げてもらいながら、ミッションを実現する
- リーダー自身も状況に応じて様々な役割を果たす必要がある
リーダーはいろいろ考えることがあるんだなぁ~
そうですね。リーダーに悩みはつきものです。
それでも、自分にあったスタイルをベースにすることである程度と楽になりますよ。
次はそれぞれのタイプを見ていきましょうか。
リーダーシップのタイプ
リーダーにはいくつかのタイプが存在します。
ここでは最も有名なDaniel Goleman (ダニエル・ゴールマン) 氏がEQ(こころの知能指数)で提唱した 6 つのタイプのリーダーシップを紹介します。
自分に合ったリーダースタイルはあるので、ベースとしてどのスタイルが合いそうかイメージしておくとよいでしょう。
また前述の通り、一つの在り方が、すべての状況に対応できるわけではないので、いくつかのパターンを引き出しとして持っておくことをおススメします。
権威主義(ビジョン)型リーダーシップ
俺について来い! ”Come with me”
このタイプは、ビジョンや目標を示し、部下をインスパイアして動機づけるリーダーシップスタイルです。
目的に対する明確なビジョンを伝え、部下が自発的に動くように導きます。
効果: チームの士気を高め、長期的な成果を促進します。部下に自由度を与えることで、成長を促します。
状況: 新しい方向に進むときや組織の目標が不明瞭なときに特に効果的です。
コーチ型リーダーシップ
やってみよう ”Try this”
これは、部下の個々の成長に焦点を当て、長期的な能力向上をサポートするリーダーシップスタイルです。
フィードバックを与え、成長を助けることに重点を置きます。
効果: 部下のスキルやキャリアの成長を促進し、モチベーションを高めますが、即時の成果を求める場面では不向きです。
状況: 部下のキャリア開発やスキル向上が重要な場合に有効です。
親和(関係重視)型リーダーシップ
人が第一 ”People come First”
このタイプは、部下との関係を強化し、調和を重視するリーダーシップスタイルです。
感情的なサポートを提供し、チームのつながりを深めます。
効果: チームの協力や感情的な安定を促進しますが、成果に対する焦点が薄くなる場合もあります。人間関係の強化に役立ちます。
状況: チーム内での摩擦を減らし、士気を高める必要がある場合に有効です。
民主主義型リーダーシップ
どう考えますか? ”What do you think?”
このタイプは、意思決定に部下を積極的に参加させ、意見を尊重するリーダーシップスタイル。
チームメンバーのアイデアを重視し、協力して問題解決を行います。
効果: チームメンバーの責任感を高め、創造性や革新を促進しますが、意思決定が遅くなる可能性もあります。
状況: チームの意見を取り入れた意思決定が重要な場面で効果を発揮します。
先導(ペースセッター)型リーダーシップ
さあ、私のする通りやりなさい ”Do as I do,now”
これは、高い目標を設定し、自らが模範を示して、部下にも同じレベルの成果を求めるリーダーシップスタイルです。
効果: 高いパフォーマンスを求める環境で有効ですが、過度に厳しい要求が部下にプレッシャーをかけ、燃え尽き症候群を引き起こす可能性があります。
状況: 高度な能力を持つチームや、迅速な成果が求められる場合に適しています。
強圧型リーダーシップ
俺の言うとおりにやれ! ”Do what tell you”
これは、明確な指示を出し、成果を求めるリーダーシップスタイルです。
命令に従わせ、即時の行動を促します。
効果: 緊急時や危機的な状況で有効ですが、日常的な運営にはあまり効果的ではなく、部下のモチベーションや創造性を損なう可能性があります。
状況: 強いリーダーシップが必要な緊急時や、部下が明確な方向性を必要としている場合に適しています。
合わないスタイルを選んだ方が選びやすそうなんだなぁ~
そうかもしれませんね!
いくつか試してみて、試行錯誤すると自分にあったスタイルが見つかるかもしれませんよ。
リーダーシップを高めるために
ここからは、リーダーシップに必要な要素をどう改善するとよいのかを見ていきましょう。
自分が何を上げていくべきか、または何をメンバーに権限委譲するといいのかを確かめていきましょう。
この章では、リーダーシップを高めるための要素を紹介しますね。
優秀なリーダーになるためのポイントとして押さえてみてください。
自発性の向上
基本的にリーダーがすべての業務を行うことはできませんし、小さな決断までを行っている余裕はありません。
メンバーの自発性を向上させることで、そうした細々した内容にまで対応する必要がなくなり、チーム全体が強く、進行を早くすることができます。
ただし、自発性を高めすぎて勝手な判断をメンバーが下してしまわないように、
共通の判断基準をあらかじめ作っておくことと、報連相をしてもらえるような関係性は築いておくとよいでしょう。
意思決定の質と速度の向上
メンバーで判断できない内容はリーダーが意思決定を下す必要があります。
その時に、適切に下すことができなかったり、決定に時間がかかりすぎてしまうのであれば、
全体の進行を妨げる一番の原因になってしまいます。
意思決定の質と速度を高めるには、評価するための軸をあらかじめ選定し、優先順位をつけておくことです。
期限前に終わるかどうか、売上を上げるかどうか、メンバーの負担が大きいかどうかなど
判断する軸を決めて、どれから守らなければならないかを先に決めておきます。
そうすることで、意思決定の再現性が高まり、案件ごとでの判断のブレが最小化するとともに、
素早く決定を下すことができるようになります。
ビジョンの設定と説明
ビジョンを決めるのもリーダーの役割ですので、これも掲げて説明できるとよいでしょう。
ビジョンを掲げることで、向いているベクトルをそろえるだけでなく、
判断する基準の構築にもつながるので、権限委譲したときの判断基準としても機能します。
ですが、会社にビジョンがあって、グループにもビジョンがあって、個人にもビジョンがあってと
既にビジョン策定が強制されるような状況なら、さらに掲げることはアレルギーを起こす可能性はあります。
ビジョンを策定して説明するときは、ワクワクできるよう実現したらどうなるかを同時に伝え、
ルールのように細かく策定したり強制することは避けるようにした方がよいですよ。
目標と期限の明確化
成果に対してのゴール設定と期日の明確化もリーダーが決めてあげるとよいです。
リーダーが立ち向かうような内容は、複雑に絡んだ案件が多く、これをやるだけ!のような仕事はこないでしょう。
そうした案件をひも解いてあげて、メンバーが「やるだけ!」という状態にまで分解してあげることも重要な仕事です。
明確な目標はメンバーのモチベーションと行動力を高め、進捗も追いやすくなります。
合わせて、全体が見えているのもリーダーだけなので、その分解された目標の優先度や迫るイベントから、期限を決めてあげるようにしましょう。
「なるはやで」が口癖なら、メンバーの方でも優先度がつけられなくなるので、明確な期限を設けることが必要です。
メンバーへのフィードバック
メンバーへのフィードバックもリーダーの大事な役割です。
様々なバックグラウンドのメンバーがいる中で、何もなければ判断基準もバラバラなはずです。
そこに例え、ビジョンがあったとしてもそれだけで判断しきれるわけではありません。
持続可能な開発目標(SDGz)が掲げられているからと言っても、個人で解釈が異なれば行動にもズレは生じてしまいますよね。
その時に、行動を修正する役割があると、学習によって基準が落とし込まれていくのです。
フィードバックはただのアドバイスではありません。
行動基準を揃え、一体感を創出するための調整弁としての機能を持ちます。
ですので、フィードバックを行うときには、そうした方がいい理由(判断の根拠)とともに伝えられるようにしましょう。
全体のバランスを調整
各メンバーのタスクのバランスを見ることができるのもリーダーだけです。
メンバー目線では隣のメンバーの仕事の概要を知ることはできても、ポイントの全てを知ることはできません。
一番情報が集まっているのはリーダーのところですので、リーダー側でバランスを調整してあげる必要があります。
具体的には、タスクの順番と、それぞれの期限調整、各タスク上で連携できるところや、手伝いが必要なところ、劣後するものなどを決めていくことになります。
バランスが整うと、全体がすっきりとして、進行がしやすくなりますので、
全体のバランスという目線を鍛えることで、リーダー力は向上していくでしょう。
外部との橋渡し
外部との橋渡しもリーダーの仕事です。
外部から見ると、相談・連携すべき相手はメンバーではなく、責任者であるリーダーです。
ですので、早く物事を進めるためにも意思決定者であるリーダーと話したがるでしょう。
また、メンバーが外部との調整までタスクに入れ始めると、タスクがブラックボックス化するリスクがあるのと、そもそもメンバーの負担が増加してしまうデメリットが生じます。
もちろん、メンバーが既に関係性を構築していたり、連携する外部が多すぎたり、メンバー同士の連携の方が進みやすいなど、状況によっては任せたほうがいい瞬間もあるでしょう。
ですが、外部連携を全部メンバーだけに任せてしまってはいけません。
メンバーには内部でのタスクに集中してもらい、外部との橋渡しは、リーダーが率先して行うようにしましょう。
ここまで上司が具体的に年収を上げたいと思える人を解説しました!
まとめると次の通りです!
まとめ
- メンバーの自発性を向上させるために、判断基準の一定化と関係性構築をする
- 意思決定の質と速度を向上させるために、評価軸と優先度をあらかじめ決めておく
- ビジョンを設定して説明するときに、ワクワク感を演出する
- 目標と期限を明確化するために、案件の細分化・適正化と期日管理に注力する
- フィードバックによる判断軸の醸成をするために、判断根拠も同時に伝える
- 全体のバランスを調整するために、タスク間連携やサポートを行う
- 責任者として外部の橋渡しは率先して行う
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